産寧坂|アーティスト翠龍氏との合作展示。

アーティスト翠龍さんとは、私が高校生の頃に出会い、以来、制作活動をする中で多くのことを学ばせていただいています。これまで制作展で何度かご一緒する機会がありましたが、合同で作品を制作するのは今回が初めてとなります。

合作「産寧坂」では、多彩なアート表現をされている翠龍さんの、墨ならではの動きのある力強い表現に加え、翠龍さん自身が持つ繊細な美しさを感じさせる作品の魅力を、さらに引き立てることを意識して制作しました。
今回の作品の舞台である産寧坂は、安産祈願で知られる清水寺の子安観音へ向かう道です。私はその背景にある意味から、坂から子安観音を見上げる女性の表情を描きました。女性の視線や表情を通して、祈りや願いを抱きながらその場所を歩く姿を表現しています。
翠龍さんが描く墨の自由で力強い動きに、デジタル表現ならではの繊細な描写や質感を重ねることで、墨絵だけでは生まれない新しい表情をつくりました。それぞれ異なる表現方法を掛け合わせることで、互いの魅力を引き立てながら、一つの作品として新しい世界観を生み出すことを目指しています。
翠龍さんからコメント
今回、旭さんと合作させていただいた翆龍(Suiryu)です。
京都で介護福祉士として高齢者施設で働く傍ら、書道、墨絵、折り紙、ディアボロ(中国コマ)を用いて表現活動もしています。
この度8月31日から9月6日まで、ご縁あって、鎌倉芸術館ギャラリーでのグループ展で唯一の関西から出展させていただきました。会期中は500名をこえるお客様にお越しくださいまして、大盛況でした!!
この「産寧坂」は京都の名所の1つで、僕が働いている高齢者施設で利用者様に塗り絵をしていただくために墨絵で作成しました。それを旭さんに丸投げして、デジタルで表現していただきました。
思い浮かべる情景として表現する発想には驚かされました。

今回の「産寧坂」は、翠龍さんの墨と私のデジタル表現、それぞれの異なる感性を重ねることで、一人では生み出すことのできない作品へと発展させることができました。
同じ題材であっても、表現する人が変われば、そこから生まれる世界も変わります。今回の合作を通して、異なる表現を掛け合わせることの面白さと、新しい作品が生まれる可能性を改めて感じました。
これからも、一つの表現にとらわれることなく、さまざまな人や表現との出会いを大切にしながら、自分自身の作品の可能性を広げていきたいと思います。
「産寧坂」をご覧いただいた皆さまにも、墨の力強さとデジタル表現の繊細さ、そして作品に込めた祈りや願いを感じていただければ嬉しく思います。
